3人展〜俤〜(おもかげ)

東京台東区千駄木での展覧会。
無事に終了いたしました。

展覧会中、東京の桜は
少しずつ葉桜に変わり
最後はつつじが満開でした。
ギャラリーKINGYOで開催させて頂いた、「3人展〜俤〜」

この展覧会に私を誘って下さった
石彫の彫刻家である岩壁善兵衛さん
狛犬オブジェ作家の
桑久保紀代子さん。

そしてギャラリーKINGYOの
扇谷きょう子さん。

本当にどんなに感謝しても
足りないです。


ふりかえれば
本当に充実していた会期中の時間。

たくさんの方に
お世話になったおかげで
いい空間が出来上がったんだな、
と思っています。


しかしどんな展覧会も
はじまりは搬入から。

閑静な住宅街の中にある
ギャラリー。
搬入、搬出に使える道のスペースや時間は限られています。

作品の搬入や展示には
丁寧な準備と計画性が
必要であると予想されました。

私達は事前にギャラリーを下見して
3人で打ち合わせを重ねたりと
準備をして来ましたが、
やはり実際やってみないと
わからなかった事も
たくさんありました。

善兵衛さんが今回のメインにと
制作して来た彫刻です。

その存在感に思わず
「わあ、すごい!」と
私と桑久保さんは
思わず声を上げましたが
様々な状況が重なった結果
この作品を下ろして設置する事は
どうしても難しかったのです。

善兵衛さんがこの作品と格闘し
向き合って来た時間を思い、
それでもさっぱりとした口調で
「持ち帰るよ」と言った
善兵衛さんの気持ちを思いました。

善兵衛さん。
作品の組み立てを変えた上で
きれいな空間を
作り上げてくれました。
善兵衛さんの作品は
水を使い、
お客様にも参加してもらって
光や石の表情を
様々に変えるのです。

その移り変わりを
ゆっくり見届けてもらう
その時間までが作品です。

〜俤〜というテーマは
善兵衛さんの
心の深い場所にあって、
石を掘り、92面を磨く作業は
善兵衛さんにとって
その場所へと向かう祈りなのかな...
なんて思いました。

今回の展覧会はこの2人が居たからこそ作れた空間。

何度思い返しても
幸せな気持ちになります。

桑久保紀代子さんは搬入の日、
自分の作品設置は後回しにして
会場作りやギャラリーの床拭き
近隣の方への気遣い等
走り回ってくれたのです。

そんな彼女から、私はずっと
学ばさせてもらい、
そればかりの日々でした。

ギャラリーKINGYO。
そして千駄木の街並み。
たくさんの恩人の方々。
 
私は心の中にある
「大好きな場所地図」に
しっかり大きな印をつけました。


その地図はこの先も
大切に持って行きます。

PS.この経験の余韻はまだまだ続く予感がします。(๑╹ω╹๑ )