小さな私へ

インフルエンザになった。

(またか...)と

気持ちの表面では

経験者の余裕を

自分に言い聞かせるけど

症状が深まって来ると

そうもいかなくなる。

 

熱にうかされ寝込んでいると

気持ちが子供になってしまう。

 

いや、子供になるのではなく

子供のままなのか。

 

どう歳をとっても

熱や痛みに

耐えている時の気持ちは、

人間幼い時とそう変わらない。

 

布団の膨らみが昔に比べて

大きいか小さいかくらいの違いで

中で丸くなってる本人の辛さは

昔と全く同じなのだ。

 

痛くて苦しくて心細い。

 

それをどうすることも出来ず

ひたすら時を待っているのは

小さな子供の頃から同じだ。

 

そう思い至った時

不意に口から言葉が出た。

 

「そのちゃんがんばれ」

 

あれ?何だこれは。

応援しているのはどの私だろう。

 

わからないけど何か

ちょっとだけ元気が出た感じ。

 

ただ耐えていただけの心の状態が

ほんの少しだけ動いた気がする。

 

もう一度言ってみた。

くり返し心で言ってみた。

 

(そのちゃんがんばれ)

 

(そのちゃんがんばれ)

 

今の私ごと

熱と向かい合った

今までの小さな私達、

みんなみんなまるごと。

 

(がんばれ)

 

「私」と言えるようになったのは、

いつからだったろう。


それまでは自分の事を

「そのちゃん」と言っていた。


「あのね、聞いて今日

そのちゃんね」という感じで。


「私」や「俺」を使い始める前に

自分で自分の事を

「◯◯ちゃん」「◯◯君」と呼ぶ。

そんな時期はみんなにありそう。



辛くて布団で丸くなってる時、

試しに自分の名前にちゃん付けや

君付けをして(がんばれ)と、

心で言ってみてはどうだろう。


小さな自分へ呼びかけるつもりで。


勇気モリモリ!って程じゃ

ないかもしれないけど

ほんのちょっとだけ、

気持ちが落ち着くかもしれません。